ごちゃまぜ浮浪録

新人を脱しつつある肥満薬剤師が薬学部生向けに日頃のあれこれを偉そうに語るブログ

第102回薬剤師国家試験が近づいているらしい

気付けば1か月も間を開けてしまった。

 

 

書くことは色々あるのだが…日々の業務がなかなかに忙しいのと、

 

最近認定薬剤師の単位を取るのに奔走しているから時間が無いのが本音だ。

 

 

 

で、まぁ。

 

もう半年経ったわけだ。

 

ということは、次の国試までもう半年無いわけだな。懐かしい。

 

 

昨年の2月辺りは毎日青本とにらめっこしていた気がする。

 

 

今や青本の中の知識なんて、法律関連と実務と薬理薬物治療くらいなもんで

化学とか物理とか全く抜けてるに違いない

 

正直な話

 

仕事の中で使うことを考えたら

 

物化生って本当に使わない

 

せいぜい菌・ウイルス系くらいかね…

 

逆に 薬理薬物 あの辺は

 

完璧にこなせないと就職してから勉強するはめになるということはよくわかった

 

 

職場仲間で、現職の先輩達が調べてるのを見ると本当にそう思う

 

 

点を取るためじゃなくて仕事として使うためにやるって考えると

 

モチベも上がる気がする

 

 

 

もう過ぎた話だが

 

夏休み終わって卒論提出して、一息付いた頃なのだろうかこの時期の薬学部の6年ってのは…

 

恐らく模試の1回目くらい終わった所だと思うが

 

 

あの時はまだ本格的に勉強するなんて心構え、無かったな

 

1回目の模試で170点くらいだった気がするが

 

その後模試3回で40点伸ばして

 

本番は280点だったことを考えると

 

半年でおおよそ100点前後は 伸ばせるわけだ

 

 

あんなに勉強サボって、

 

直前くらいしかまともに勉強しなかった俺でも

 

そんくらい伸びたんだから

 

 

まともにやれる奴ならもっと伸びるだろう

 

150点くらいでも全然問題ないし

 

130点でも普通に諦めるレベルじゃあないな

 

もっとも

 

102回が99回みたいな

 

クソみたいな難化

 

 

してたら話は別だが

 

 

要はこの時期の模試とか

 

5年間やってきたのがどれだけ身についてるかどうかなだけで

 

あんまり関係ないんだよな

 

 

薬学部予備校の講師は

 

 

この時期に170~点あると合格者の平均点

 

~160 くらいが不合格者の平均点 と脅してくるが

 

 

冷静に考えればそりゃ1万人の平均値を出せば

 

最終的に225点以上取ったグループの3か月前の方が 取れなかったグループの3か月前より低くて当たり前…

 

 

あれに気を取られて

 

予備校の授業を一字一句真に受けてたら

 

時間も集中力も足りない

 

 

6年次の予備校の授業

学校の授業

 

 

のほとんどは、全く分からない奴に最適化されてる分

 

 

時間に対しての効率はすさまじく悪い

 

 

プリントだけは暗記や要約されてるので

 

資料として使う分には悪くないが

 

 

国家試験に受かる為には

 

 

授業や予備校の講義をまともに受けない(ただし卒業のための単位が掛かってくる場合を除く。卒業できなきゃ意味ないからな)

 

どうしても意味不明でまったく手つかずの授業だけ↑をアテにすればいい

 

自力勉強は青本を中心に

 

赤文字太文字に着目するのも大事だが

 

そのページが何を言いたいのか 全体的に把握することの方が大事

 

青本勉強をするにあたって絶対にやってはいけないこと

 

青本の内容をノートに写して いわゆる「書いて覚える型」学習

 

 

これ、意味ない上に時間だけムダにする

 

しかも本人はやった気になるからタチが悪い

 

 

大学入試ならともかく、国家試験はマークシート式…

 

問題を解くのに必要なワードは問題文に書いてある

 

ワードを関連付けるのに、いちいち別の紙に移しても意味が無いんだぜ

 

 

どうしても暗記物をまとめたいんだったら、

 

青本をコピーして切り貼りしろ。

 

構造式なんかもそう

 

ベンゼン環の書き方がうまくなるだけだぞ

 

 

頭の中で内容を整理しながら、青本を読んでいく

 

だらだらと読み流すのは意味が無い

 

できるならぶつぶつと呟きながらやってもいい

 

何回読んでも理解できない所だけ、図解しながらノートに書くといい

 

特に計算式・公式なんかはな

 

 

もっかいいうぞ

 

 

青本をノートに書き写す時間があったら、その部分を3回読んだ方がマシ

 

 

ちなみに今からだとおよそ4か月半で本番を迎えるわけだが

 

130日あれば、青本10冊が5周ずつはできる。

 

今日は●● 今日は××と

 

科目を区切って 1日200から300ページくらいを目安にやると捗る

 

最初のうちはめちゃくちゃ時間を要するが

 

集中力を維持するために2時間に30分くらいの休憩を入れても良いだろう

 

あと個人的に

 

勉強するのはどこでも構わないが

 

誘惑に手を触れられない環境に身を置くのが大事だ

 

 

PCが目の前にあると調べものはできるが勉強の阻害になることもある

 

 

スマホも同じだ

 

 

だから俺は、勉強期間に入ったら、PCの無い図書館で、スマホの電源を切ってカバンの奥に入れていた

 

 

それでも触ってしまうなら家に置いてきてもいい

 

 

 

ともかく来年の受験生が成功してくれることを祈る。グッドラック。

 

 

~~~~ここからいつものどうでもいい日記~~~~

 

 

最近の仕事の動向でホットなのは

 

 

エチゾラムとゾピクロンが向精神薬に指定されたことか。

 

 

日数制限は11月からだが30日指定。

 

 

当然、向精神薬なので個人輸入も許可なくすることはできない

 

 

アモバンはともかくとしてデパス心療内科で依存率の高い薬剤だ

 

 

今までは個人輸入でアホみたいに乱用するバカも多かったらしい

 

 

かくいう俺も昔毎日0.5mg服用していたことがあるが

 

 

薬に依存して良いことなんか あんまりないと思う

 

 

12患者はともかくとして

 

 

心療内科を継続的に受診している人の状態を見れば

 

 

社会的に良好な状態とは言えないんだろうな

 

 

これは精神薬に限らず

 

糖尿病薬 脂質降下薬

 

にも言えることで

 

 

薬に長期的に依存することに良いことなんてないだろう

 

 

もっとも、自分の意思とは裏腹に、服薬をしなければならない人は話は別だがな。

 

 

糖尿病薬が今まで2種類+インスリンから、3種類+インスリンに変わった患者が来た。

 

彼曰く、HbA1cは2桁を窺うかどうかの所で推移しているらしい。

 

体格を見れば不摂生なのはわかる。

 

「なかなか血糖値落ちないんですよね~」

 

 

果たして笑っていられるのはいつまでだろう…

 

 

俺達は生活指導はできるけど、

 

 

本人に全くやる気が無い時の投薬ほど難しいものはない

 

 

結局、副作用管理や重複投与、なんかのアセスメントはできるが

 

本質的な病態へのアクセスは本当に難しい

 

それは医師の仕事であって薬剤師の仕事じゃねえだろ と言われればそれまでだが

 

医師だってそうだろう

 

HbA1cが10%近い患者の血液検査を見て、運動療法と食事療法をやらなければ薬だけでは厳しい――とは言えても

 

それで患者がやる気を出さなければ意味が無いのだ

 

 

俺は、まだぺーぺーの新人だけど

 

透析治療をしている患者を毎日のように見ていれば

 

自分の患者をこうはさせたくない

 

 

でもどうやれば道が切り開けるのか分からない

 

 

患者の方から、治療に前向きな姿勢を示してくれた時のアセスメントなら、俺は(むちゃくちゃ外来が忙しい時間でなければ)時間を掛けて向き合ってあげたいと思うのだが

 

 

 

もし、将来的な像として、あってもいいだろう、と思っているのが

 

 

健康サポート薬局+かかりつけ薬剤師

 

 

を表に置いた、

 

 

慢性生活習慣病専門薬剤師。

 

 

開局時間中に、処方箋が無くても、上記疾患についての相談を受け付けることができる。

 

患者が望めば、かかりつけ薬剤師(認定薬剤師)に療法上の相談をすることができて、

 

かつ、保険点数も付けることができる(月算定回数上限あり)

 

 

こういうのがあれば使いたい患者はひょっとしたら、居るんじゃないか

 

 

慢性疾患は、処方日数も2か月とかそんな感じだから

 

年に4~5回しか 病院に行かないことも多いんだよな

 

んで、慢性疾患だとコントロールできてるかが重要だから

 

医師のアセスメントもそう時間を取られない

 

 

結果、いつまでもだらだらとした投薬が続くのだ

 

 

医師は忙しいから、健康上のサポートに時間を割くことは難しい

 

 

しかし今後薬剤師が飽和してくるなら、

 

 

こういう処方箋がなくても、薬局に来られる

 

 

っていう像があっても悪くはねえなと思うんだよな

 

 

 

先日 某クソアナウンサーが透析患者批判で大炎上して無職になったらしいが

 

 

ほんのごく一部、確かに不摂生が止められず結果的にそうなる人も居るのだろう

 

 

だったら、患者を恨むんじゃなくて

 

そういう患者を減らす制度ができた方が

 

 

結果的に透析患者が減り、公費の負担が少なくなるんじゃなかろうか。

 

 

ほんと、切に願うぜ。

 

 

【薬】透析治療の処方①

よう俺だ。

 

 

最近は忙しすぎて連休でも無いと書けなくなってきた…。

 

 

前回言っていた通り、透析の薬理学的アクセスのさわりだけでもまとめようと思う。

 

 

まず、前提条件として、透析はその原疾患があることが多い。

全部ではないが、糖尿病や高血圧、慢性糸球体腎炎なんかがそうだ。

だから、多くの透析患者はその治療も平行して行っていかないといけない。

そして、その治療薬と、透析との相性・腎機能との相性も随時確認していかねばならないから…

 

非常に薬学的にも負担の高い疾患だ。

 

その中でも特に使用率の高い薬剤について今回は書く。

 

・糖尿病治療薬

透析患者の中で、血糖降下薬を服用している患者はかなり多い。

その状況も多岐に渡り、

インスリンを複数本大量に打っている人も居れば、

DPP4阻害薬単剤な人も居る。

 

ただし、血糖降下薬はその多くが腎排泄であるため、

使われる種類は実はそんなに多くない。

 

αGI…アカルボースやミグリトールなど

即効型インスリン促進薬…レパグリニドなど

DPP4阻害…~グリプチン

(余談だが、リナグリプチンとテネリグリプチンは、腎機能低下による減量の必要がない。)

 

基本はこの3剤。

最近は、SGLT2が臨床での実績を積んできたため、レジメンに加わってくるかもしれない。

エンパグリフロリジン(ジャディアンス)は、腎機能の低下に抑制効果が働く論文が最近出てきたので、うちの透析科からもそろそろ使われるかも?

 

・高血圧治療薬

こちらも糖尿病薬と肩を並べて登場する機会が多い。

ARB、Ca拮抗薬(特にアムロジピン)は汎用される。

利尿薬(トリクロルメチアジドやフロセミド)も多い。

透析患者は自然とカリウムが高くなっていく傾向があるので、

低Kへ誘導する利尿薬はその狙いもあるようだ。

逆に、K保持性の利尿薬はあまり出てこない。

β遮断薬の使用率は低め。いずれにせよ基本は腎保護作用のあるARB、ACEが代表的だ

 

・リン吸着薬

透析患者のすべてが飲んでいるわけではないが、腎不全患者以外が服用することの少ないもの。症状が重くなるにつれ、お世話になることが多い。

 

基本は、食物の中のリンと胃の中で合体して、吸収されずに体外へ排泄する。

そのため、食直後(一部は食直前)服用が徹底されないと、意味が無かったりする。

吸着薬にも色々あるが、

沈降炭酸カルシウム

ランタン(ホスレノール)

クエン酸第二鉄(リオナ)

が特によくうちでは使われる。

沈降炭酸カルシウムはカルシウムを含むため、

リンが高くなりPTH亢進、二次性の低カルシウム血症を起こしやすい透析患者とは相性が良い。

ただし、慢性投与でカルシウムが高くなり、血管の石灰化を招きやすくなるところも注意点。

リオナは三価鉄を含む。吸収がよくないので鉄剤ほど鉄としての効果は出ないが一応鉄が高くなるリスクはあるらしい。

また、便が鉄で黒くなる。

 

・カルシウム、ビタミンD補給剤

前述のように、末期腎不全患者はカルシウムが低下しやすくなっているので、ビタミンDを補給することでカルシウムの生成を優位に働かせる。

アルファカルシドール内服

それから院内で注射薬としても出されている

要は骨がもろくなるわけだが、ビスホスホネート製剤は腎排泄のためそれ以外の薬で対処していくことになる。

 

(・造血)

院外薬局で出ることはないが、腎機能が悪くなるとエリスロポエチンが低下して腎性貧血を起こすことがある。

故に、エポエチンの注射が院内で出ることがある。

 

血栓防止薬

透析では、血液を一度体外に出して、機械を通してまた戻す。

ただ、血中の血小板や凝固因子は生きているので、機械に触れたこれらの因子は凝固を起こすため、患者の血管イベントが増加する原因になる。

注射で、院内からヘパリン製剤が出るのだが、それだけでは足りないので、内服で抗血小板薬が出されることが多い。

ワーファリンやシロスタゾール、クロピドグレルが代表的だが、昨今、第Xa因子阻害薬の登場により急速にそのシェアは伸びている。

高齢の患者が手術をする際に何日間も中止しなければいけないのは、隔日で透析をする患者には不適だし、ワーファリンはPT-INRで容量調整する必要があるからだ。

アビキサバン、リバーロキサバンがうちでは多い。

 

・抗ヒスタミン、レミッチ

透析患者はかゆみを訴えることが非常に多い。もともと、通常の成人と比べて皮膚症状が多くなったり、透析の影響で血管掻痒が増えるため、透析年数の多い患者ほど慢性的に抗ヒスタミン薬を飲んでいる。

なお、レミッチ(ナルフラフィン)はヒスタミンと違い、オピオイドK受容体を遮断することによってかゆみ感覚を抑制する。透析におけるかゆみ専用のような薬である。

 

・昇圧薬

アメジニウム

ドロキシドパ(ドプス)など

透析時には、血液を一時的に引くため、体にとっては失血するということだ。

故に、血圧が下がる。低血圧を防ぐため、透析前および透析後に内服する。

 

 

 

・シナカルセト(レグパラ)

上の方でも書いた、副甲状腺機能亢進症に対する薬。

 

・便秘治療薬

マグミット、センノシド、アローゼン顆粒、大建中湯など…

単純に高齢の患者が多いからだろうが、便秘気味の患者が多いので、見る機会も多い。

 

・抗不安、睡眠薬

一般の外来患者と比べると処方率は高い。

あまり腎機能を考慮しなくても良い薬が多いせいか割と種類を選ばず出る。

 

・その他漢方

芍薬甘草湯…脚がよくつるらしく、透析の中では汎用処方。

 

 

こんなところだろうか…

同じ患者でも、多剤併用の多さといい、種類といい、一線を画している。

薬剤師によっては全くかかわらない分野になるかもしれないけど、分野としては決してニッチではない時代に突入してきていることだし。

 

腎機能の在り方も含めて勉強する意味合いは強いのではなかろうか。

【薬】シムビコートのSMART療法

いつもより更新間隔が狭いのは、割とカルチャー違いな処方が出たからだ。




というわけで、俺だ。




気管支喘息の治療方法として、




薬学領域では以下のように学ぶ。



気管支喘息の病態は、気管支が炎症などにより狭窄していること。
アレルゲンや寒気などにより、気管支の収縮が起こり、狭窄部が閉塞して喘息症状を呈すること。

その診断は一秒率、肺活量により決まり、

治療としては
長期的に炎症を抑えるステロイド

短期的な発作を抑えるβ2刺激薬
(β2受容体はGsタンパク型で副交感神経興奮→気管支拡張、だ)

に分かれる。前者をコントローラーと呼び後者をリリーバーと呼ぶ。


治療上留意しなくてはならないのは

ステロイド薬を使用したら必ずうがいをすること
(残留ステロイドによる感染症を防ぐ)

リリーバーは発作時以外には使用しないこと
(β2受容体アゴニストは吸入薬でも気管支に完全に選択的ではない。心臓β受容体にも作用し、不整脈を生み出す。日常的な過剰な使用は心停止を招く恐れがある)


国試レベルならこれくらい抑えれば基礎は大丈夫なはずだ
ちなみにβ刺激薬は●●テロール(ツロブテロール、サルメテロールなど)、β拮抗薬は●●ロール(プロプラノロールなど)だ。

ツロブテロールは長時間作用型で貼付薬に用いる(みんな大好きホクナリンテープ)
サルメテロールは、β刺激薬だが、長時間作用型なので基本的にはコントローラーとして用いる


プロカテロール(メプチンエアー)は、短時間作用型のβ刺激薬だ。いわずもがな、リリーバー。


β受容体関連で薬剤師国家試験で覚えるべきところはあとは、
COPDに適応のあるもの
レンブテロールやミラベグロンなど、特殊な適応をもつもの
くらいかな。
ISA+とか-とか、その辺はいらないんじゃないかな
仮に出たとしても現場じゃ使わない
医者が処方の際に参考にするかもしれんが
現実問題気管支喘息の治療薬はほとんどが

シムビコート(ブテゾニド、ホルモテロール)
メプチンエアー(プロカテロール)
フルタイド(フルチカゾン)
セレベント(サルメテロール)
アドエア(サルメテロール、フルチカゾン)
ウルティブロ(グリコピロニウム、インダカテロール)
シーブリ(グリコピロニウム)
オンブレス(インダカテロール)
レルベア(ビランテロール)


みてわかる通り、ステロイド単剤か、長時間β単剤か、その両方かだ
上記のうち、メプチンエアーを除けば基本的にはコントローラーとして使用する。


ただし、今日出た処方は、シムビコートをスマート療法で…


とのことだった。


スマート療法とは、
シムビコートのようなコントローラーで使うものを、発作時に屯用で使う


療法のことだ。
これ、2013年に適応取ったらしいんだけど


全く知らなかった。授業でも聞かなかったし…



同じようなβとステロイドの合剤はアドエアやウルティブロは、この記載は添付文書にない。

そもそも、ウルティブロはカプセル型だから屯用に向かないのだ

シムビコートと比べてアドエア(ディスカス)は、患者の吸う息が弱いとあまり意味がないから、発作時で吸う力が弱っていると使えないだろうな



という、シムビコートの隠れた特性をいまさらながら知った素人薬剤師なのであった。



これ、うちの管理薬も知らなかったみたいでちゃんと勉強してから投薬したぞ。w



まぁこんなの国家試験には出ないだろうけど

長時間β刺激薬でも発作時に使える薬はあるってことで。

【薬】糖尿病薬の強さと併用

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/yamamoto/201411/539363.html



また久しぶりになってしまった。


最近妙に忙しい…




薬学を学ぶにあたって、



作用機序とか、



薬効とか、



その辺は踏襲するんだけども



実際に現場に出ると



どういう理由でこれが使われるか、とか



同じ作用機序でも特色や強さに違いがあって、




そこはそれで勉強していかないといけない




んで、今回は糖尿病薬について考えよう




糖尿病薬、
現在は
SU、グリニド系
チアゾリジン誘導体
ビクアナイド
αGI
DPP4関連
SGLT2
インスリン注射


等多様なものが使われている




では、この中で最も汎用されているのはどれだろう?





あくまでうちの病院集計だが



錠数ベースで行くと、
首位はビクアナイド。
2位にSUとグリニド系薬
少し遅れてDPP4やチアゾリジン
だいぶ空いてαGI
SGLTは数えるほどしか出ない
インスリンはSGLTと患者数的にはほぼ同じかなー


ビクアナイド、すなわちメトホルミン、ブホルミンがそうだが


商品名メトグルコは、糖尿病の第一選択として汎用する医者が多いらしい


薬学生だった時には、


副作用の乳酸アシドーシス



が強くちらついて、


あまり使いにくいやつなのかなーとか思ってたが



血糖降下作用が強く、使いやすいようだ



SUやグリニド(シュアポスト;ナテグリニド)は、
同じく血糖降下作用が強いが
同時に低血糖を起こすリスクが高い


ということで、まとめてみた。

↑強

ビクアナイド
SU チアゾリジン

グリニド
DPP4

SGLT2
αGI

↓弱


おおよそ、この3グループに分類することができそうだ。



実際、αGIは食事依存的な患者によるし、
SGLT2は高齢者には使いにくい。肥満な患者にほぼ限定されると言っても良い

メトホルミンは単剤でよく使われる半面、



併用まで行くとSUとDPP4がシェアを伸ばしてくる。


単剤では効果の薄い患者にSUとメトホルミンを併用したり、


さらに追加するときに低血糖を加味してDPP4を付け加える感じか。



それでも減らなかったらピオグリタゾン



ちなみに、糖尿病薬の併用はおおよそ4剤まで



ということらしい



この間来た処方で

アマリール1mg (グリメピリド) 分1
シュアポスト(ナテグリニド)0.25mg 3T分3
メトグルコ(メトホルミン)250mg 6T分3
般ピオグリタゾン15mg 1T分1
テネリア(テネリグリプチン)20mg 1t分1



というものがあった(個人情報ゆえ改変して仮のものにしている)




5剤併用。保険適用上、厳しい。返戻に合う可能性もあるものだ


あと、シュアポストとSU併用してるから、そもそもそこの時点でだめだけどな(作用機序一緒でしょ)



医師に疑義照会したら、


インスリンを本当は出したいんだけど、


患者がインスリン適用するような人じゃない(嫌がる)



ということで、仕方なく併用しているようだ。




まぁ、注射だしなー。




注射といっても、どちらかというとシャーペンの芯をめちゃくちゃ細くしたようなやつだけどな



一般的な注射針はいかにも刺されると穴が空きそうな太さをしてるけど



インスリンの注射針は肌に触れたら針の方が曲がるんじゃないの、ってくらい細い



血管に入れるわけでもないから




そんな恐怖感はないんだけど




とまぁそういうことで糖尿病薬の併用はありきたりだけど、色んなことがあるんだなぁと




ちなみにグリメピリドはSUの中でもインスリン抵抗性の改善作用がある

一方で心疾患リスクについては他と比べると少し高くなるようだが



メトホルミンはビクアナイドだけど2250mgまで増量が可能で作用も用量依存的というのも大きい


これはブホルミンより圧倒的にシェアを得ている要因だろうな。



DPP4は色々あるけど…どれがどう特色あるかはちょっとまだ情報不足かな



うちはテネリグリプチン(テネリア)、シタグリプチン(ジャヌビア)、リナグリプチン(トラゼンタ)、ビルダグリプチン(エクア)、アログリプチン(ネシーナ)

を置いてる。


リナグリプチンとテネリグリプチンは、腎機能障害下でも減量が必要ないので、テネリアがいまんとこ売れてるのかなー




さてでは腎機能障害GFR30以下で禁忌の糖尿病薬は?












SU、グリニド
ビクアナイド
ピオグリタゾン(eGFRによる)
シタグリプチン(eGFRによる)



なので、あんなに便利なメトグルコも腎障害まで行くと


使えなくなるんだな




ちなみにエンパグリフロジン(ジャディアンス)は、SGLT2の中でも腎保護作用があるようで、



今後腎障害とは相性がよくなるかも…?



しかし、腎障害の患者に尿細菅の副作用を起こしやすいSGLT2を長期投与するのもどうかと思うが。





今回はこんな感じで。102回国家試験でも糖尿病薬は相変わらずホットになるだろうし



俺も将来的には認定薬剤師取ったら糖尿病関連の勉強を深めて


糖尿病の患者はワイにまかせろっ!(かかりつけ薬剤師210円つけてね)


って感じでやれるくらいにはなりたいなぁ

薬剤師日誌5

なんとまぁ、ひさしぶりなことだ




久しぶりということはだ



いそがしすぎて書く暇がねぇ



ってことだな




休みが無いことは無いんだが



休みの日にやることもあるし、



休みの日に休まないと週の頭がしんどい…




有休が早くついてほしいもんだ




ブラック企業はともかく




普通の会社は半年で年間10日



6年半の勤続で年間20日の有休がつく



まぁ、前者はついても年間20日なんて取らせてくれるところは多くないのかもしれないが…




年間20日とか、


公休のために5日ほど取っておくにしても



年に2回は土日繋げて2週間ほどの休みをとることもできるんだよな



あくまでも制度上の話で、こんな長期連休取ると会社が回らなくなるから、他の日に移動させられるかもしれないがな




有休はともかく、夏季休暇が1日だけ貰えたので



8月の祝日にくっつけて連休を取らせてもらうことにした。




東京に行って旅をしてくる。




8/12から14。



これだけで何しに行くのか分かる奴もいるかもしれんがな





ともあれそれはおいといて、




先週はいくつか面白いことがあった



まずは


頻尿に処方されたリリカの適応外処方



リリカ(プレガバリン)は、神経障害性疼痛向けの薬だ。


主に末梢神経障害とか、神経菅狭窄に用いられる



副作用の欄には頻尿と書いてある(頻度不明)。



はて…意味がわからん、



医者に話を聞けば、最近流行ってるらしいのだ。



またか…と思った。




こないだの記事ではラフチジンの末梢神経障害への適応外処方を書いたが、




今回のリリカに関しては論文も何もなかった



ただ、ロキソニンやセレコックスといったNSAIDSが、頻尿に対して使われることはあるらしい。



NSAIDSがCOXを阻害することで、プロスタグランジンE2の生成が抑制される。このPGE2は、糸球体尿細菅を拡張させるため、NSAIDSは副次的に頻尿を改善するのだ。


プレガバリンとNSAIDSは作用の異なる鎮痛薬だが、同じような効果を期待されているのかも?




それから、
ノルバスクとノルバデックスのインシデントがついにうちでも起きた。

医師が電子カルテ上の選択を誤り、処方して服薬指導中に血圧のワードを出したところ、患者さんが怪訝な顔をされたので照会したのだ



ほんとこれいい加減にしろと思う。


ノルバデックスは90日処方されることも多い。



その間まちがって血圧の薬を飲んでいて、まあ仮に低血圧を引き起こさなかったとしても、先日の小林麻央の乳ガン報道といい、乳ガンは数ヶ月の治療の遅れが命取りにさえなることがあるのだ


本来はノルバデックス(タモキシフェン)を飲んでいたはずが、まったく意味の無い薬を飲まされて、


それで乳ガンが進行したとしたら



薬剤師も責任を負わないといけないし、

当然医師も責任を負わねばならない


なにより製薬会社や厚労省の怠慢と


マスコミから叩かれるに違いない




悪いことは言わないからノルバデックスの商品名を変更して欲しいものだ



あるいは、用量を前にもってきてもいいかもな

20ノルバデックス

とか。


うーんでもそしたら他のミスも増えるか…


ノルバデックスは10と20mg
ノルバスクは大体2.5とかだから



そこで見分けはつくっちゃつくが




でも3文字までだと、薬が増えていけばいずれ同じことが起こってくるし…



やっぱ記号の前つけかな…


Cノルバデックス
Cアリミデックス




ほんと、わるいことが起きないといいぜ

薬剤師日誌4

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/aoshima/201605/546872_2.html


やあ、元気か?



俺は元気とは言えないかもしれんが




6月は祝日無いんだよなー。



そして有休もまだ取れないし



つまり休みがないわけだ





さて、今回は糖尿病のガイドラインが変わったのでそれを絡めて考える




糖尿病、世間的にはぜいたく病やら間違った認識になっているが、


患者のそれなりの割合は非肥満型の高齢者が存在する



糖尿病は一般的に慢性治療で血糖コントロールをしていかねばならないが、



低血糖にも注意をくばらなければいけない




前回の記事で高齢者の低血糖認知症を促進すると書いたが、



高齢者

あるいは既に認知症を発症

もしくはADL低下の患者では


厳格にhba1cを6.5に制限する必要はないと示された。



詳しくは割愛するが、


仮に高齢者のhba1cが7や8であっても、低血糖のリスクを増やしてまで増量する必要は必ずしもないというわけだ


むしろ、血糖に下限が設定され、より低血糖に対してケアする方向にシフトした。






それから話は変わって、ラフチジン(h2ブロッカー)の不思議な話



うちの処方にとある症例が持ち込まれた。



複数のよくある慢性疾患の薬に、プロテカジン(ラフチジン)が追加されたのだ


しかし、話を聞いても胃潰瘍や胃部不快感は無いと言う。もちろんセレコックス等も出ていない



ただ、この患者は以前より末梢神経のしびれを気にしており、メチコバールも処方されていた。
プロテカジンはそのしびれに対してのものだという。



プロテカジンはH2ブロッカー、Gsタンパクと相関するから、想像できなくもないが、しかし当然ながら適応にそんなものはない。


しかも、そのプロテカジンは最近噂になっていて処方もふえているのだとか。なにせ、他のH2アンタゴニストではダメらしい。



で、論文を漁ってみた。



すると、パクリタキセルを使用中で慢性の末梢神経障害を訴える患者にラフチジンを投与したところ軽快した、とする論文が見つかった。



で、さらに調べると、どうやらラフチジンはH2ブロッカーである以前にカプサイシン様の知覚神経麻痺作用をもっているらしく、これがしびれを一時的にごまかしている? ようだ。


いわゆる、辛いものを食べたときに舌が麻痺して他の味が感じにくくなる…ということが体の中で起こっているのだろう


末梢神経のしびれを伝える上行性痛覚の一部が、知覚神経節の麻痺によって遮断されるのかもしれない。

機序的にはトラマドールっぽいのかな




とまあ、そういうことがありましたとさ




適応外使用は面白いものがあるという話




ただし、この使い方をした場合保険的にはまずいので、実際に使われる時にはあくまでもh2としての働きとして処方されるけど

薬剤師日誌3

おはよう。




今週も激務だったが先週と比べたらましか…。




今日は糖尿病薬の話だ



つい先日SGLT2の指針が改訂された



糖尿病薬としては最も新しい部類に入り、



まだその使われ方が模索されているSGLT2阻害薬



薬学生的には

  • フロリジン


って覚えるもんかな



主に抑えておくべき点は



副作用に脱水


尿路感染症


比較的軽度で肥満の患者に用いる二型糖尿病薬ということ



うちではスーグラ、フォシーガ、ジャディアンヌ


を採用している




おおよそ多剤併用が多い糖尿病薬



薬剤師にとっては、もっとも憂慮すべきは低血糖のケア


SGLT2は比較的低血糖の副作用は出にくいとされているが

SUとの併用は慎重投与


基本的にSUは糖尿病薬の中心となりがちな反面


低血糖の副作用が起こりやすい



最近の主流になりつつあるDPP4阻害関連薬も低血糖は起こしにくいかな


例えば


グリメピリド
テネリグリプチン
ピオグリタゾン



の併用をしている患者が低血糖様症状を訴えてきたとき



もし仮に1剤ないし2剤を減薬提案するなら








グリメピリド


そしてピオグリタゾン



ってことだな。





ちなみに


薬学生は糖尿病の値を
空腹時126mg
hba1c 6.5%


と覚えているだろうけど



高齢者になると少なくともhba1cは厳密にこの通りの血糖コントロールを行わないこともあるのだ



この辺は処方する医師の方針次第、力量次第なのだが


高齢者は血糖コントロールが難しく



特に季節の変動でシックデイの比率が増えたり

水をあまり飲まなかったり

そもそも服薬コンプライアンスがしっかりしている人が多くない



から、ある程度余裕を持たせて大雑把に血糖管理することが大事


なのだという



低血糖が高齢者に起こった場合致命的になりかねないし、



低血糖認知症を促進するとも言われるからだ




ましてや、後期高齢者ともなると


糖尿病の進行と症状の発現に何年もかかることを考えたら



QOLを下げてまで厳密に管理する必要がない



せいぜい、GFRがきわどいことになっている人くらいだな




前に書いたかもしれないが


リナグリプチン
テネリグリプチン


の二つは糖尿病薬の中でも稀有な


腎障害で用量を減らさなくてもいい薬だ



それから糖尿病に関連していうと


ロサルタン
イミダプリル


はそれぞれ糖尿病型腎症からの比護が適用にある



昨今の国家試験はどう難しくなっても対応できるように、


同効薬でも何が違うのかは抑えておくと面白い




関係ないがうちの薬局はくそほど激務なくせに


人手不足でなおかつ狭い



どう考えても薬学実習生を受け入れる余裕などなさそうだ


将来的に移転する可能性があるらしいけど




問題があるとしたらうちの近くって福○大か第一薬○大しかねーんだよな



第○薬科大生を貶すわけではないけど



やっぱり偏差値的なものはピンキリを産み出すわけで



うちの大学も変な奴は一定数居たし



そういう学生がもし来たとしたらどうすっかねー




と、今から考えなくてもいいことをすでに考えている()