ごちゃまぜ浮浪録

新人を脱しつつある肥満薬剤師が薬学部生向けに日頃のあれこれを偉そうに語るブログ

【薬】チラーヂン。

めっちゃ寒くなってきた……。

 

 

この間までは暑い暑い言いながら通勤してたっていうのに

 

 

よう、俺だ。

 

 

特に何か目的があったわけじゃないが

 

日常的にまとめておきたいことができた時にはブログってのは便利だな。

 

 

うちをかかりつけ薬局にしてるとある患者さんA。

 

60代の、女性だ。基礎疾患はそこまで多くない

 

恒常的に飲んでいるのもGERD予防のPPIと痛み止めだ。

 

今回の処方には、マグミット(水酸化マグネシウム。汎用される下剤だ)が追加されていたので、便通が悪いのかな~と思いながら服薬指導をした。

 

お薬手帳には、先月から他の病院でチラーヂン(レボチロキシン)50μgが処方されている。

他のページを見ても載っていないので、恐らく初処方なのだと思われた。

 

なので、飲み合わせのイメージギャップも埋めるため、それとなく聞いてみたら、

案の定甲状腺腫による摘出術を受けており、チラーヂンを飲まなくてはいけなくなったようだ。

 

だが、今処方されているものに特に相互作用的な問題は無さそうだったので、便通の調整に気を付けつつ、とだけしか言わなかった。

 

 

ところがどっこい。

患者さんが「この便秘薬はね~、朝晩で出てるけど昼晩にしようと思うの。朝は甲状腺のコレ(チラーヂン)があるから~」

 

と言う。

詳しく聞けば、どうやら他の薬局で、チラーヂンと同じタイミングでマグミットを飲まないようにと言われたようなのである。

 

かなり真剣に考えているようだったので、はて…と添付文書を確認してみる。

 

レボチロキシンの作用に影響を与える大きな薬剤のひとつは、金属イオンとキレートするということである。

 

主に、沈降炭酸カルシウムや、水酸化アルミニウムなどの制酸剤。

あとは、鉄剤だ。

亜鉛も注意が必要。亜鉛というとサプリメントを思い浮かべるが、ポラプレジンク(プロマック)も亜鉛を含んでいるため、注意が必要だ

 

だが、Mgは調べてみたがレボチロキシンに対しての吸着能がほとんどないそう。

同じ2価のCaイオンは吸着するので、科学的にちょっと理由が分からずお手上げであるが、

汎用されているMg製剤(しかも1回量0.5gとかとんでもない量)を併用しても記載されないくらい影響がないようだから、

 

これはさすがにやっかみもんな投薬をしたのかなあ、と思わんでもない。

 

もしくは、金属の含まれる薬とは間隔をあけてくださいね、とだけ言われたのかも。ご高齢だから、いちいちカルシウムがうんたらというよりは分かりやすい。

マグミットと聞いてそう反応したのだから、ほぼ間違いなくマグミットと伝えられた可能性の方がでかそうだが…

 

もっとも、甲状腺ホルモンはかなり微量(単位を見ても分かるが、1回量がおよそ0.05mg~0.1mgなのである)なので、ちょっとしたキレート物にかなり影響を受けてしまうことを考えたら、マグミットの飲み方が変わったところでそんなにQOLに影響与えないから、そっちの方がいいのかなあ。

 

 

ともあれ、この患者さんは特に併用注意の医薬品が無かったので良かったが、

甲状腺摘出後で一生T4製剤を飲まなくてはいけない患者には、きわめて併用薬のチェックは重要なのだ。

 

もし、キレート作用で効果が出なくなったら代謝に関する機能の大部分が奪われるし、

 

それで医師が用量を増やしてしまったら…

 

キレート医薬品を飲まないタイミングで急に血中濃度が上昇し。

 

不整脈。からの続発性疾患

 

に繋がることまで考えないといけない。

 

 

もっとも、透析患者でガンガンチラーヂンと毎食後の沈降炭酸カルシウムを併用している患者なんてたくさんいるから、

 

そこまで深刻なケースはあまりないのだろうけどね。

 

でも透析患者のレボチロキシン投与量を見る限り、やっぱり100μgを大きく超える用量を服用している患者が多いので、

 

多少なりともキレートしてんのかなあ、ってね

 

 

 

あとどうでもいいけど

 

認定薬剤師の単位を取り終えて

 

来月には認定薬剤師の申請ができるようになった

 

かかりつけ薬剤師の算定には実務経験3年が必要なので

 

まだまだ点数が取れるわけじゃないんだけど

 

他のチェーンとかみると、地味にかかりつけ薬剤師の点数をボンボン取っている所はあるらしい。

 

まあ、1割負担の患者なら1回70円だし

 

さっきも言ったように多剤併用でのリスクマネージメントが出来る意味では

使い勝手はあんのかなーって気はするね

 

 

まあ俺は少なくとも老人になるまでは使わねー気がするが。

210円取られるくらいならその金で酒を買う…

 

つーか自分でできるからいらねーw

第102回薬剤師国家試験が近づいているらしい

気付けば1か月も間を開けてしまった。

 

 

書くことは色々あるのだが…日々の業務がなかなかに忙しいのと、

 

最近認定薬剤師の単位を取るのに奔走しているから時間が無いのが本音だ。

 

 

 

で、まぁ。

 

もう半年経ったわけだ。

 

ということは、次の国試までもう半年無いわけだな。懐かしい。

 

 

昨年の2月辺りは毎日青本とにらめっこしていた気がする。

 

 

今や青本の中の知識なんて、法律関連と実務と薬理薬物治療くらいなもんで

化学とか物理とか全く抜けてるに違いない

 

正直な話

 

仕事の中で使うことを考えたら

 

物化生って本当に使わない

 

せいぜい菌・ウイルス系くらいかね…

 

逆に 薬理薬物 あの辺は

 

完璧にこなせないと就職してから勉強するはめになるということはよくわかった

 

 

職場仲間で、現職の先輩達が調べてるのを見ると本当にそう思う

 

 

点を取るためじゃなくて仕事として使うためにやるって考えると

 

モチベも上がる気がする

 

 

 

もう過ぎた話だが

 

夏休み終わって卒論提出して、一息付いた頃なのだろうかこの時期の薬学部の6年ってのは…

 

恐らく模試の1回目くらい終わった所だと思うが

 

 

あの時はまだ本格的に勉強するなんて心構え、無かったな

 

1回目の模試で170点くらいだった気がするが

 

その後模試3回で40点伸ばして

 

本番は280点だったことを考えると

 

半年でおおよそ100点前後は 伸ばせるわけだ

 

 

あんなに勉強サボって、

 

直前くらいしかまともに勉強しなかった俺でも

 

そんくらい伸びたんだから

 

 

まともにやれる奴ならもっと伸びるだろう

 

150点くらいでも全然問題ないし

 

130点でも普通に諦めるレベルじゃあないな

 

もっとも

 

102回が99回みたいな

 

クソみたいな難化

 

 

してたら話は別だが

 

 

要はこの時期の模試とか

 

5年間やってきたのがどれだけ身についてるかどうかなだけで

 

あんまり関係ないんだよな

 

 

薬学部予備校の講師は

 

 

この時期に170~点あると合格者の平均点

 

~160 くらいが不合格者の平均点 と脅してくるが

 

 

冷静に考えればそりゃ1万人の平均値を出せば

 

最終的に225点以上取ったグループの3か月前の方が 取れなかったグループの3か月前より低くて当たり前…

 

 

あれに気を取られて

 

予備校の授業を一字一句真に受けてたら

 

時間も集中力も足りない

 

 

6年次の予備校の授業

学校の授業

 

 

のほとんどは、全く分からない奴に最適化されてる分

 

 

時間に対しての効率はすさまじく悪い

 

 

プリントだけは暗記や要約されてるので

 

資料として使う分には悪くないが

 

 

国家試験に受かる為には

 

 

授業や予備校の講義をまともに受けない(ただし卒業のための単位が掛かってくる場合を除く。卒業できなきゃ意味ないからな)

 

どうしても意味不明でまったく手つかずの授業だけ↑をアテにすればいい

 

自力勉強は青本を中心に

 

赤文字太文字に着目するのも大事だが

 

そのページが何を言いたいのか 全体的に把握することの方が大事

 

青本勉強をするにあたって絶対にやってはいけないこと

 

青本の内容をノートに写して いわゆる「書いて覚える型」学習

 

 

これ、意味ない上に時間だけムダにする

 

しかも本人はやった気になるからタチが悪い

 

 

大学入試ならともかく、国家試験はマークシート式…

 

問題を解くのに必要なワードは問題文に書いてある

 

ワードを関連付けるのに、いちいち別の紙に移しても意味が無いんだぜ

 

 

どうしても暗記物をまとめたいんだったら、

 

青本をコピーして切り貼りしろ。

 

構造式なんかもそう

 

ベンゼン環の書き方がうまくなるだけだぞ

 

 

頭の中で内容を整理しながら、青本を読んでいく

 

だらだらと読み流すのは意味が無い

 

できるならぶつぶつと呟きながらやってもいい

 

何回読んでも理解できない所だけ、図解しながらノートに書くといい

 

特に計算式・公式なんかはな

 

 

もっかいいうぞ

 

 

青本をノートに書き写す時間があったら、その部分を3回読んだ方がマシ

 

 

ちなみに今からだとおよそ4か月半で本番を迎えるわけだが

 

130日あれば、青本10冊が5周ずつはできる。

 

今日は●● 今日は××と

 

科目を区切って 1日200から300ページくらいを目安にやると捗る

 

最初のうちはめちゃくちゃ時間を要するが

 

集中力を維持するために2時間に30分くらいの休憩を入れても良いだろう

 

あと個人的に

 

勉強するのはどこでも構わないが

 

誘惑に手を触れられない環境に身を置くのが大事だ

 

 

PCが目の前にあると調べものはできるが勉強の阻害になることもある

 

 

スマホも同じだ

 

 

だから俺は、勉強期間に入ったら、PCの無い図書館で、スマホの電源を切ってカバンの奥に入れていた

 

 

それでも触ってしまうなら家に置いてきてもいい

 

 

 

ともかく来年の受験生が成功してくれることを祈る。グッドラック。

 

 

~~~~ここからいつものどうでもいい日記~~~~

 

 

最近の仕事の動向でホットなのは

 

 

エチゾラムとゾピクロンが向精神薬に指定されたことか。

 

 

日数制限は11月からだが30日指定。

 

 

当然、向精神薬なので個人輸入も許可なくすることはできない

 

 

アモバンはともかくとしてデパス心療内科で依存率の高い薬剤だ

 

 

今までは個人輸入でアホみたいに乱用するバカも多かったらしい

 

 

かくいう俺も昔毎日0.5mg服用していたことがあるが

 

 

薬に依存して良いことなんか あんまりないと思う

 

 

12患者はともかくとして

 

 

心療内科を継続的に受診している人の状態を見れば

 

 

社会的に良好な状態とは言えないんだろうな

 

 

これは精神薬に限らず

 

糖尿病薬 脂質降下薬

 

にも言えることで

 

 

薬に長期的に依存することに良いことなんてないだろう

 

 

もっとも、自分の意思とは裏腹に、服薬をしなければならない人は話は別だがな。

 

 

糖尿病薬が今まで2種類+インスリンから、3種類+インスリンに変わった患者が来た。

 

彼曰く、HbA1cは2桁を窺うかどうかの所で推移しているらしい。

 

体格を見れば不摂生なのはわかる。

 

「なかなか血糖値落ちないんですよね~」

 

 

果たして笑っていられるのはいつまでだろう…

 

 

俺達は生活指導はできるけど、

 

 

本人に全くやる気が無い時の投薬ほど難しいものはない

 

 

結局、副作用管理や重複投与、なんかのアセスメントはできるが

 

本質的な病態へのアクセスは本当に難しい

 

それは医師の仕事であって薬剤師の仕事じゃねえだろ と言われればそれまでだが

 

医師だってそうだろう

 

HbA1cが10%近い患者の血液検査を見て、運動療法と食事療法をやらなければ薬だけでは厳しい――とは言えても

 

それで患者がやる気を出さなければ意味が無いのだ

 

 

俺は、まだぺーぺーの新人だけど

 

透析治療をしている患者を毎日のように見ていれば

 

自分の患者をこうはさせたくない

 

 

でもどうやれば道が切り開けるのか分からない

 

 

患者の方から、治療に前向きな姿勢を示してくれた時のアセスメントなら、俺は(むちゃくちゃ外来が忙しい時間でなければ)時間を掛けて向き合ってあげたいと思うのだが

 

 

 

もし、将来的な像として、あってもいいだろう、と思っているのが

 

 

健康サポート薬局+かかりつけ薬剤師

 

 

を表に置いた、

 

 

慢性生活習慣病専門薬剤師。

 

 

開局時間中に、処方箋が無くても、上記疾患についての相談を受け付けることができる。

 

患者が望めば、かかりつけ薬剤師(認定薬剤師)に療法上の相談をすることができて、

 

かつ、保険点数も付けることができる(月算定回数上限あり)

 

 

こういうのがあれば使いたい患者はひょっとしたら、居るんじゃないか

 

 

慢性疾患は、処方日数も2か月とかそんな感じだから

 

年に4~5回しか 病院に行かないことも多いんだよな

 

んで、慢性疾患だとコントロールできてるかが重要だから

 

医師のアセスメントもそう時間を取られない

 

 

結果、いつまでもだらだらとした投薬が続くのだ

 

 

医師は忙しいから、健康上のサポートに時間を割くことは難しい

 

 

しかし今後薬剤師が飽和してくるなら、

 

 

こういう処方箋がなくても、薬局に来られる

 

 

っていう像があっても悪くはねえなと思うんだよな

 

 

 

先日 某クソアナウンサーが透析患者批判で大炎上して無職になったらしいが

 

 

ほんのごく一部、確かに不摂生が止められず結果的にそうなる人も居るのだろう

 

 

だったら、患者を恨むんじゃなくて

 

そういう患者を減らす制度ができた方が

 

 

結果的に透析患者が減り、公費の負担が少なくなるんじゃなかろうか。

 

 

ほんと、切に願うぜ。

 

 

【薬】透析治療の処方①

よう俺だ。

 

 

最近は忙しすぎて連休でも無いと書けなくなってきた…。

 

 

前回言っていた通り、透析の薬理学的アクセスのさわりだけでもまとめようと思う。

 

 

まず、前提条件として、透析はその原疾患があることが多い。

全部ではないが、糖尿病や高血圧、慢性糸球体腎炎なんかがそうだ。

だから、多くの透析患者はその治療も平行して行っていかないといけない。

そして、その治療薬と、透析との相性・腎機能との相性も随時確認していかねばならないから…

 

非常に薬学的にも負担の高い疾患だ。

 

その中でも特に使用率の高い薬剤について今回は書く。

 

・糖尿病治療薬

透析患者の中で、血糖降下薬を服用している患者はかなり多い。

その状況も多岐に渡り、

インスリンを複数本大量に打っている人も居れば、

DPP4阻害薬単剤な人も居る。

 

ただし、血糖降下薬はその多くが腎排泄であるため、

使われる種類は実はそんなに多くない。

 

αGI…アカルボースやミグリトールなど

即効型インスリン促進薬…レパグリニドなど

DPP4阻害…~グリプチン

(余談だが、リナグリプチンとテネリグリプチンは、腎機能低下による減量の必要がない。)

 

基本はこの3剤。

最近は、SGLT2が臨床での実績を積んできたため、レジメンに加わってくるかもしれない。

エンパグリフロリジン(ジャディアンス)は、腎機能の低下に抑制効果が働く論文が最近出てきたので、うちの透析科からもそろそろ使われるかも?

 

・高血圧治療薬

こちらも糖尿病薬と肩を並べて登場する機会が多い。

ARB、Ca拮抗薬(特にアムロジピン)は汎用される。

利尿薬(トリクロルメチアジドやフロセミド)も多い。

透析患者は自然とカリウムが高くなっていく傾向があるので、

低Kへ誘導する利尿薬はその狙いもあるようだ。

逆に、K保持性の利尿薬はあまり出てこない。

β遮断薬の使用率は低め。いずれにせよ基本は腎保護作用のあるARB、ACEが代表的だ

 

・リン吸着薬

透析患者のすべてが飲んでいるわけではないが、腎不全患者以外が服用することの少ないもの。症状が重くなるにつれ、お世話になることが多い。

 

基本は、食物の中のリンと胃の中で合体して、吸収されずに体外へ排泄する。

そのため、食直後(一部は食直前)服用が徹底されないと、意味が無かったりする。

吸着薬にも色々あるが、

沈降炭酸カルシウム

ランタン(ホスレノール)

クエン酸第二鉄(リオナ)

が特によくうちでは使われる。

沈降炭酸カルシウムはカルシウムを含むため、

リンが高くなりPTH亢進、二次性の低カルシウム血症を起こしやすい透析患者とは相性が良い。

ただし、慢性投与でカルシウムが高くなり、血管の石灰化を招きやすくなるところも注意点。

リオナは三価鉄を含む。吸収がよくないので鉄剤ほど鉄としての効果は出ないが一応鉄が高くなるリスクはあるらしい。

また、便が鉄で黒くなる。

 

・カルシウム、ビタミンD補給剤

前述のように、末期腎不全患者はカルシウムが低下しやすくなっているので、ビタミンDを補給することでカルシウムの生成を優位に働かせる。

アルファカルシドール内服

それから院内で注射薬としても出されている

要は骨がもろくなるわけだが、ビスホスホネート製剤は腎排泄のためそれ以外の薬で対処していくことになる。

 

(・造血)

院外薬局で出ることはないが、腎機能が悪くなるとエリスロポエチンが低下して腎性貧血を起こすことがある。

故に、エポエチンの注射が院内で出ることがある。

 

血栓防止薬

透析では、血液を一度体外に出して、機械を通してまた戻す。

ただ、血中の血小板や凝固因子は生きているので、機械に触れたこれらの因子は凝固を起こすため、患者の血管イベントが増加する原因になる。

注射で、院内からヘパリン製剤が出るのだが、それだけでは足りないので、内服で抗血小板薬が出されることが多い。

ワーファリンやシロスタゾール、クロピドグレルが代表的だが、昨今、第Xa因子阻害薬の登場により急速にそのシェアは伸びている。

高齢の患者が手術をする際に何日間も中止しなければいけないのは、隔日で透析をする患者には不適だし、ワーファリンはPT-INRで容量調整する必要があるからだ。

アビキサバン、リバーロキサバンがうちでは多い。

 

・抗ヒスタミン、レミッチ

透析患者はかゆみを訴えることが非常に多い。もともと、通常の成人と比べて皮膚症状が多くなったり、透析の影響で血管掻痒が増えるため、透析年数の多い患者ほど慢性的に抗ヒスタミン薬を飲んでいる。

なお、レミッチ(ナルフラフィン)はヒスタミンと違い、オピオイドK受容体を遮断することによってかゆみ感覚を抑制する。透析におけるかゆみ専用のような薬である。

 

・昇圧薬

アメジニウム

ドロキシドパ(ドプス)など

透析時には、血液を一時的に引くため、体にとっては失血するということだ。

故に、血圧が下がる。低血圧を防ぐため、透析前および透析後に内服する。

 

 

 

・シナカルセト(レグパラ)

上の方でも書いた、副甲状腺機能亢進症に対する薬。

 

・便秘治療薬

マグミット、センノシド、アローゼン顆粒、大建中湯など…

単純に高齢の患者が多いからだろうが、便秘気味の患者が多いので、見る機会も多い。

 

・抗不安、睡眠薬

一般の外来患者と比べると処方率は高い。

あまり腎機能を考慮しなくても良い薬が多いせいか割と種類を選ばず出る。

 

・その他漢方

芍薬甘草湯…脚がよくつるらしく、透析の中では汎用処方。

 

 

こんなところだろうか…

同じ患者でも、多剤併用の多さといい、種類といい、一線を画している。

薬剤師によっては全くかかわらない分野になるかもしれないけど、分野としては決してニッチではない時代に突入してきていることだし。

 

腎機能の在り方も含めて勉強する意味合いは強いのではなかろうか。

透析治療の哀愁

よう、夜分遅くに失礼するぜ。

 

 

 

だいぶ新天地での仕事にも慣れた手前、

 

 

医療職ってのは常に別れと隣り合わせだ。

 

 

もっとも、一番近いであろう看護師、介護士と違って

 

 

薬局薬剤師はそれを目にすることはほぼないんだけど…

 

 

透析や在宅は、少し違う。

 

 

薬局でしか会わない普通の患者と違って

 

 

透析治療と在宅患者には基本的に薬剤師が薬をもっていくことになる。

だから、相手のフィールドで面と向かって顔を合わせるわけだ

 

 

もっとも、在宅患者薬剤管理指導料の名のもと、ゆっくり話をする時間がある在宅と違って

 

透析にはその点数が無いから、一人あたりと話す時間も少ないのが現状ではあるが

 

Do処方だと渡すだけ…って感じにもなるしな

 

 

話は戻るが、透析ってのは実にシビアな世界だ。

 

日本の中で、現在の透析患者数は30万人以上といわれる

 

全人口の1/400に過ぎないが、

 

その患者のほとんどが高齢者であることを考えると、

 

高齢者の1%弱が透析治療というわけだ

 

 

これを高い低いとみるかは人それぞれだが、

 

現在、右肩上がりに患者数が増えていることを考えると

 

 

俺はかなり異様に高い数字だと思っている

 

 

ちなみに、透析とは、簡単に言うと

 

血液を機械を使って綺麗にろ過すること

 

だ。

 

本来この機能は腎臓が担っている。

 

が、腎不全や老化で腎臓の機能が落ちると

 

老廃物を自力で排泄できなくなったり、

 

不要なミネラルが過剰に蓄積したりするようになる。

 

結果、臓器不全を起こして死に至る、腎不全とはそういう病気であり、末期腎不全に対する治療のひとつが透析だ。

 

 

人の腎機能を表すクレアチニンリアランス

 

大体、正常成人ならGFRにして80~100mg/dl 程度。

 

60を切ると慢性腎不全の入口と言われる

 

30を切ると、重症。一般的に、多くの薬剤が減量になったり、禁忌になったりする。

 

薬剤師になるなら、かなり気を遣わなければいけないゾーンに突入する

 

15を切ると、末期。薬剤が代謝できないどころか、体にカリウムやリンが蓄積し、老廃物も溜まるようになる。

リンの蓄積は血管の石灰化を招き、動脈硬化を引き起こす。

カリウムの蓄積はいわずもがな、高カリウムによる心停止へ一直線だ。

国家試験目指すなら正常値くらい抑えておかないとだめだぞ。4.8mEq未満だ。

4(死に).8(やる)カリウム 

 

 

おおよそこの段階で、透析を考慮に入れ始める。

シャント(透析のための人工血管)を作り、いよいよGFRが10を切ると透析開始になることが多いようだ

 

 

透析治療は、1回およそ3~5時間。

 

ベッドに寝たまま、人工血管を通して体の中の血液を抜き取っては機械でろ過して戻していく。その間動けないし、また大量の血液を引いて戻すから、体への負担も当然ある。

 

人によっては貧血を頻繁に起こすし、かゆみ止め無効のかゆみに襲われることもある(血管を大量の血液がひっかくことに起因するといわれる透析性のかゆみ。治療薬はシナカルセト(レミッチ))

 

 

これを1週間に3回やる。

 

 

本当は、生きる上では3~5時間程度では全部の血液はろ過できないから、

 

毎日やるのがベストらしい。

 

だが、それは無理な話だ。

 

だから、QOLとの兼ね合いで、妥協したラインがここだという。

 

足りない部分は薬で補うわけだな。

 

 

で、透析のシビアさはこれだけじゃなくて、

 

予後の悪さ だ

 

 

透析治療は導入後10年生存率は50%。

 

つまり平均余命10年というわけ。

 

透析の原因はいろいろあって、糖尿病性の腎不全が最多。次に、高血圧による腎硬化症。それと、感染による腎炎。あとは加齢など。

 

 

糖尿病性の腎症では最も予後が悪く、5年生存率が50%だ。

 

 

まぁ、糖尿病末期な時点で透析しようがしまいが予後が悪いといえばそうなんだろうけど…

 

 

糖尿病が末期の中でも深刻な人は、末しょう神経障害による手足の壊疽で、足を切断する人が出てくる。

 

 

俺が透析投薬しているのは約50人弱だが、そのうち5人くらいかな。足を切断している人は。

 

 

日経メディカルの記事にもあったが、足を切断した人の透析患者の予後はすさまじく悪い。平均余命1年だ。

 

 

つい最近、その下肢切断している方が亡くなった。40代の若さだった…

 

 

若くても、こうなる現実がすぐ隣で起きてることが何より衝撃的だった…

 

 

 

俺が糖尿病をはじめとした慢性疾患と透析に興味があるのはこの辺りだ。

 

本来死ぬはずでない人がだんだんと弱っていくさまを見るのは辛いことだ

 

 

それは、多くが防げるはずだったのに病魔を進行させてしまった所にある

 

 

だったら、そこを止めてあげられる一助になればとも思うんだな

 

 

俺の祖母は透析中だし、俺の母の友達も透析になったばかり。

 

結構身近にいることを考えると、やっぱり1%って低い数字ではない。

 

 

 

しばらく、透析関連の記事を増やすかもしれない。

 

 

俺は実習で慢性腎不全に興味を持って深く調べた結果、薬剤師国家試験にもすごく役立ったし、

 

もっともこんなブログを読むヒマがあるなら青本を開けとでも言いたいが、

 

 

開いてる間にも勉強ができるのならと思うから、

 

 

次から少し薬学生向けのCKD(慢性腎不全)・透析関連の薬剤について書こう

 

 

なぜか、この辺重要なのにコアカリが手薄なせいで

 

 

全然学校でもやってくんなかったんだよね

 

 

リン吸着薬とか模試でバンバン出てたけど

 

 

特殊な薬が多いし、あれ知らないと現場に出たら滅茶苦茶苦労するぞ。

 

 

現に今も四苦八苦してる。

【走】新しいシューズ

今回も薬剤師とはまったく関係のない内容ですまない




まあこの記事を見に来るやつなんて


たまたま検索ワードにひっかかったか



勉強もせずにネットサーフィンしていたちょっと焦り気味の薬学6年生



そうでなきゃ奇特なやつ



しかいないだろ。ちょっとためになるっぽいことを書いてそうで、基本的には無駄なブログだからな



こんなところに来るくらいなら勉強しろ…。




それはともかく



ちょっと怪我で離れていたランニングだったが




また再開している



11月の福岡マラソンを目指している身



そろそろ走り込んでいかないと間に合わない




しかし



昔買ったランニングシューズはもうぼろぼろ



クッションは削れて中敷きは薄くなり



かかとは擦れるし親指は走る度に豆ができる




そんなわけで



スポーツショップにちょっくら行ってきた




ランニングシューズといってもプロ仕様ではなくせいぜい市民ランナー程度




まぁ、6000円くらいの安いやつを買おうと思っていた



(金無いし)




しかし俺は175cm90kgの巨体を小学生の時から維持してきた男




運動部だったからとにかく骨格がごつい




足のサイズは高校の時点で28



最近さらに大きくなったらしく、足幅の狭い日本メーカーだと29が欲しいくらいだ




だが29って足のサイズは基本的にはビッグサイズらしく



気に入ったシューズがほんとにない。まじでない



並んでる靴は26前後…



メンズで23cmとか飾ってる意味がわからない




せめて30までは生産してくれよ





そんなわけでスポーツショップの店員さんにいろいろと訪ねて靴を決めてもらった



シューズタイプはレーシングタイプ(キロ4分~)
足幅が広くて
軽量化してある



ちなみにランナーのシューズは軽いもので片足180gとか200gしかない



一般的なスニーカーなんて、ランニングシューズを一度はいたら重すぎて走れない




前述のようにサイズが合わない俺は1時間経ってようやく店員さんにシューズを決めてもらった




まぁ、それはかなり良い代物だったよ。さすがスポーツショップ



しかし俺は見てしまった…靴箱の値札を




21600円…




えっあの ちょ




手取りの1割近い額を靴に持っていかれるのはカルチャーショックだった



ブランドじゃねーんだぞ(泣)





だが他の靴はイマイチフィットしないわサイズはないわでこれしかねーなと思った…



金無いから、で断るのも長時間占有してしまった店員さんに申し訳ないし




ついでに、(このへんからかなりやけくそになっている)中敷きをカスタムインソールしてもらった




インソールはフルマラソンには鉄則だ



一般ランナーがフルマラソンを走るための障害は、タイムじゃない



おおよそ制限時間までに走ろうと思ったら、


ちょっと早い程度の徒歩を6時間続ければ良いのだ





問題は足腰の痛み、そしてエネルギー(気力)不足だ




アマチュアのフォームなどたかがしれている



数時間同じことをやれば筋肉はすり減るし軟骨はずたぼろになり皮膚は圧力でぼろぼろになる



だからシューズは大事なのだ




で、俺は体重も重いから



このところ長い距離を走ったときのつまさきの怪我と足首の痛みに悩んでいた




リスフラン靭帯を何度も損傷した影響で左右の重心のかけかたが違うのだ





というのもあってこの際中敷きをオーダーしてもらった





なお、これも別料金である





8500円也。しめて、3万円のシューズのできあがりだ






ク、クレジットカードォーーー!





再来月の俺、頑張って返済してくれ




そんなわけで




頑張るぞ




フルマラソン

コミックマーケット90

長らくブログを放置していた………




のではなく、忙しくて書く内容を考える時間がなかった、と言い訳させてくれ。




8月に入って色々とやることも増え、



家に帰ったら疲れて寝る…



そんな感じの日々が続いた後、



件の8/12~14は、コミックマーケットに参加してきた



通称夏コミだが。



そのために連休を取って、新幹線で東京へ。




途中、知り合いと合流しコミケ1日目は参加せず都内でやっているゲーミングフェスティバルへ。



企業の新作発表展覧会みたいなものだが、今回は大規模なものではなく、マイナーな会社がやたらと多かった。



体験版が遊び放題で、すでに完成品があるものはその場で予約発注もできる



基本的には小売店対象の、あまり公にされていないイベントだが(非会員は招待ハガキが必要だけど、会員登録はその場でできる)、



丸1日潰せるくらい面白い場所だ。





そして2日目。



目下の目標は音ゲー島。




ところが、風邪と腹痛のダブルパンチで早朝からダウン。出遅れた…



しかし、回りたかったところは全て回れて、



知り合いと挨拶することもできたし。



満足な1日だった。



3日目。



ある意味本番。

コミケは3日間あるが、そのうちの半数近くがこの日に集中する。



理由はググってほしいところだが、



昔からクリエイターさんと関わりがあった関係から、
この日に出展している知り合いがめちゃくちゃ多い。



先のゲーミングフェスと違って、コミケは基本的に自分のほしい本やグッズ、ゲームやCDをお金を出して買うのだが、



この日の一番混雑するであろうエリアに知り合いが集中していて、まぁなんとも、


肉と汗でできた異空間にもみくちゃにされたね。



あそこにいる人種は過半数が統率の取れたプロだから、割とマナー的なものは悪くないんだが、



たまーに、肉弾戦車みたいななりでショルダータックルを集団にかましてくる自己中がいる。



目的のためなら手段を選ばない、


まさに戦争。




ともあれ、知り合いのサークルさんにはたくさんの新刊を頂いて、本当に楽しいコミケだった。



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またいきたいと願う。





…けど、コミケってお盆にあるんだよな。



病院薬局のほとんどにはお盆休みとかないから



しかもうちは土曜日もあるし



最悪金曜日に有休取って特急で帰ればなんとかならんこともないけど…w




仕事も良いけど、楽しいことがないと生きていけないぜ

【薬】シムビコートのSMART療法

いつもより更新間隔が狭いのは、割とカルチャー違いな処方が出たからだ。




というわけで、俺だ。




気管支喘息の治療方法として、




薬学領域では以下のように学ぶ。



気管支喘息の病態は、気管支が炎症などにより狭窄していること。
アレルゲンや寒気などにより、気管支の収縮が起こり、狭窄部が閉塞して喘息症状を呈すること。

その診断は一秒率、肺活量により決まり、

治療としては
長期的に炎症を抑えるステロイド

短期的な発作を抑えるβ2刺激薬
(β2受容体はGsタンパク型で副交感神経興奮→気管支拡張、だ)

に分かれる。前者をコントローラーと呼び後者をリリーバーと呼ぶ。


治療上留意しなくてはならないのは

ステロイド薬を使用したら必ずうがいをすること
(残留ステロイドによる感染症を防ぐ)

リリーバーは発作時以外には使用しないこと
(β2受容体アゴニストは吸入薬でも気管支に完全に選択的ではない。心臓β受容体にも作用し、不整脈を生み出す。日常的な過剰な使用は心停止を招く恐れがある)


国試レベルならこれくらい抑えれば基礎は大丈夫なはずだ
ちなみにβ刺激薬は●●テロール(ツロブテロール、サルメテロールなど)、β拮抗薬は●●ロール(プロプラノロールなど)だ。

ツロブテロールは長時間作用型で貼付薬に用いる(みんな大好きホクナリンテープ)
サルメテロールは、β刺激薬だが、長時間作用型なので基本的にはコントローラーとして用いる


プロカテロール(メプチンエアー)は、短時間作用型のβ刺激薬だ。いわずもがな、リリーバー。


β受容体関連で薬剤師国家試験で覚えるべきところはあとは、
COPDに適応のあるもの
レンブテロールやミラベグロンなど、特殊な適応をもつもの
くらいかな。
ISA+とか-とか、その辺はいらないんじゃないかな
仮に出たとしても現場じゃ使わない
医者が処方の際に参考にするかもしれんが
現実問題気管支喘息の治療薬はほとんどが

シムビコート(ブテゾニド、ホルモテロール)
メプチンエアー(プロカテロール)
フルタイド(フルチカゾン)
セレベント(サルメテロール)
アドエア(サルメテロール、フルチカゾン)
ウルティブロ(グリコピロニウム、インダカテロール)
シーブリ(グリコピロニウム)
オンブレス(インダカテロール)
レルベア(ビランテロール)


みてわかる通り、ステロイド単剤か、長時間β単剤か、その両方かだ
上記のうち、メプチンエアーを除けば基本的にはコントローラーとして使用する。


ただし、今日出た処方は、シムビコートをスマート療法で…


とのことだった。


スマート療法とは、
シムビコートのようなコントローラーで使うものを、発作時に屯用で使う


療法のことだ。
これ、2013年に適応取ったらしいんだけど


全く知らなかった。授業でも聞かなかったし…



同じようなβとステロイドの合剤はアドエアやウルティブロは、この記載は添付文書にない。

そもそも、ウルティブロはカプセル型だから屯用に向かないのだ

シムビコートと比べてアドエア(ディスカス)は、患者の吸う息が弱いとあまり意味がないから、発作時で吸う力が弱っていると使えないだろうな



という、シムビコートの隠れた特性をいまさらながら知った素人薬剤師なのであった。



これ、うちの管理薬も知らなかったみたいでちゃんと勉強してから投薬したぞ。w



まぁこんなの国家試験には出ないだろうけど

長時間β刺激薬でも発作時に使える薬はあるってことで。