ごちゃまぜ浮浪録

新人を脱しつつある肥満薬剤師が薬学部生向けに日頃のあれこれを偉そうに語るブログ

【薬】第101回薬剤師国家試験は簡単だった ようだ

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201603/546077.html



いやまぁ、そんなことは数字を見れば分かる。



しかし、簡単だった



とは言葉を紐解いてみると



問題が不適切に簡単だった



のか、



点数が取りやすい問題が従来より多かっただけ



なのか、



それは平均点という点数からだけでは分からない。




俺は今回の試験…


確かに、解きやすくはあった。


リード文が丁寧で、


問題に対してどうアクセスすれば良いのかが分かりやすい。


必要な知識を持って問題を考えれば、


もっとも適切な選択肢を選びに行くことはそう難しくはなかった。


ただノータイムで問題文を見てすぐに答えが分かる…



所謂過去問演習型の98回以前とは、



問題様式は異なっている


と思った。



まあ、法規は正直、禁忌肢ばりの選択肢が多すぎて、ヒューマニズム的に考えれば消去法で解けてしまう過去型の問題が多数だったので


法規だけは平均点がおかしなことになっているが…


理論の平均点9.1点/10 っておかしいだろ()



必須は新傾向の問題が少なかったが、本来の必須の意味合いを考えたらあれくらいの難易度で良いと思う。
あれくらいの問題がずっと作れるなら、必須5割の足切りは残っても良かったんじゃないか?



ってことで、俺の総論としては



理論実践法規が問題として不適切に簡単だった


以外は、
概ね良問が揃っており、知識と考えを問われる今後の未来型薬剤師国家試験としてはワルくない試験だった




実際、理論は法規以外は平均5-6割台だし。



じゃあ、102回以降どうやって難化させるのか。



必須の新傾向問題は増やせば難しくはなるが、

必須であまり図抜けた新傾向問題を出すと
100回のようなことになるし


理論は今年も十分歯応えのある問題が揃っていたから


難しくするなら実践 実務



まぁ、俺はそれでも解きながらずーっと考えてたが…


正直、理論より実践のが難しい…
と思って解いていた


蓋を開けてみれば


実践だけで121点


俺は元々実務が得意だから(禁忌肢が多くて問題のコツを掴めば消去法で解ける)というのもあるんだろうが…





問題のコツ。

昔からQMAやクイズ同好会をかじっていた

のもあって、正誤問題のトーンというものがある



読み上げ文では、否定系の文章となる場合はイントネーションが通常より前に来なくてはいけない。などのテクニックだ。

国家試験は読み上げられないが、文章独特の癖
というものがある。

特に医療分野 法律分野においては
100%の答えが求められることがある故、
あいまいな文章


それだけで正誤が分かることもある。



これは、俺が無意識的に問題を解くときに選択肢を消去している手法なので、参考にするかどうかは自由だが、


文章中に「言い切り文」がある

必ず~である
する必要はない
~だけである


× になる可能性が高い。

(~を考慮する必要がある は○の率が高い)

ただし、元々の知識として必ずそうなるものもある
ことは覚えておく必要がある。
特に物理化学生物衛生領域では、必要十分条件の問題が数多いので、問題文を見て総合的に判断すること。


一例。
【物理】分離係数が1より小さくなることはない。
→○ 
2つのピークが完全に一致しているとき
分離度は0
分離係数は1になる

【化学】接頭語にL-が付いた化合物の旋光性は常に左旋性である。
→×

【生物】DNAの検出を行う際、臭化エチジウムでの染色は必須である。
→×

【衛生】国勢調査は、日本に住む全ての人が回答しなければならない。
→○ 国民の義務。外国人も含む

【薬理】沈降炭酸カルシウム錠は、必ず食直後に噛み砕いて服用する。
→○ (類題…沈降炭酸カルシウム錠は、飲み忘れを防ぐため、食前30分前に飲んでおいても良い→×)

【治療】ネフローゼでは、必ず浮腫が出現する。
→×

【治療】ネフローゼでは、必ずタンパク尿が出現する。
→○(確定診断の条件)

【薬剤】みかけのかさ密度と真のかさ密度では、必ずみかけのかさ密度の方が小さくなる。
→○

【法規】18歳以上であることだけを確認すれば、毒物を販売しても良い。
→×

【法規】ジアセチルモルヒネは何人たりとも施用することができない。
→○(ヘロインの特別規定)


【実務】いつも来る同じ患者の処方せんであれば、名前を確認する必要はない。
→×



文章中にあいまいな文章がある、


~となることがある。
~を示すことがある。



ほとんど○。


法規問題以外は実験的に得られる結果が多く、実際問題そうならないとは言い切れないため。
こっちは分かりやすいよな。




こういうのは解き慣れていくに従って、だんだん分かるようになっていくが、新6年は、今のうちから過去問を解いておくとこんなテクも身に付いて良いぞ。
過去問は何度解いても損にはならない



あと、個人的に問題の正答率を上げるコツ。


例えば理論50問 115分の問題があるとする

1問辺り2分半 与えられている


これを俺は1分ちょっとで区切る


1分考えて分からない問題

1分考えて計算式がうまくいかない計算問題


とりあえず3にマークでもしといて、飛ばす


で、最初の1周を60-70分くらいで終わらせる。

終わったら、まずは正答数の確認

1つか 2つか

誤っているか 正しいものか


これ、模試で何回かやらかしたが、正答数で間違えるの、ばかばかしいからな。


そして、飛ばした問題に戻る

ただ、それでもさらに5分考えて分からなかったら

諦めろ。


難しい問題も

簡単な問題も


同じ1点だし

ましてや、傾斜配点のつく102回以降


簡単な問題を確実に得点する方が得だろ。


2周目を解くこと


これ、個人的に点数を1割アップさせる秘訣。


1周を解いて、問題に必要な引き出しを完全に開けた状態で同じ問題を見ると

問題の解釈

必要な知識


異なって見えることが多い。


俺は本試で、各時間、10問以上は毎回マークを書き直した。全体で60問くらいだ


自己採点だと、その10問中書き直しても書き直さなくても間違っているのが3問
書き直した結果正解したのが5問
書き直して間違ったのが1-2問


という感じだった


時間に切迫されず、冷静に問題を見られる2週目


模試の間にこのテクを試してみてほしい


解けない問題より


解ける問題に時間を掛けること



大事だぞ