ごちゃまぜ浮浪録

新人を脱しつつある肥満薬剤師が薬学部生向けに日頃のあれこれを偉そうに語るブログ

【薬】腎機能を考える1

やぁ。


国家試験が終わって毎日昼前に起きているぜ。



睡眠時間は大事だぞー。




ところで


俺が薬学において興味のある分野



腎不全

糖尿病

高脂血症



この三つが特に好きで


学士論文もこのタイトルに沿った研究をした


糖尿病高脂血症生活習慣病


腎不全は今日本人に急速に増え続けている疾患だ


知っているか?


腎不全には


急性と慢性がある


急性腎不全は劇症を伴うが
予後は良い


慢性腎不全はなってしまったら最後

基本的には進行を遅らせる

ことしかできない


慢性腎不全 通称CKD


原因の1位は 糖尿病なんだぜ。


2位は腎硬化症(高血圧が原因と言われる)

3位は糸球体腎炎



ではここで問題です


糖尿病性腎症で


透析導入になった患者の


5年生存率って何%か




ちなみに初期の肝臓がん、膵臓がん、小細胞肺がん が50%前後

全症例で見ると胃などの消化器がんは70%くらい
乳がんは90%ある。




1.50%
2.70%
3.80%
4.90%
5.97%








正解は


1.50%


正確には55%


もっと言うと、大体平均余命 5~10年




もちろん、長期糖尿病からの進行慢性腎不全になるまでに20年くらいかかるため、必然的に患者は高齢化するのだが。


それを加味しても、実は案外知られていない、怖い病気だと思う



世間のイメージでは


透析?確かに面倒そうだけど、腎臓なんて私こわれてないしw

がんは怖いよねー、なりたくないけど糖尿病とか尿が甘くなるだけでしょw 炭水化物の取りすぎww


というのをよく見る



先日の記事でも言ったが


糖尿病の患者の半数は 3年以内に治療を放棄する


知らない間に進行し


まずは末梢がしびれるようになってくる


そして網膜が犯され 視野が狭窄するようになってはじめて、受診するらしい。


とある症例。Mさん

見かけはむしろやせ形の患者だ。
付き添いで来ていた姉は、明らかに糖尿病 というような体型だったが…(姉妹揃って糖尿病治療を受けに来ていた)

Mさんは10年前に糖尿病の初診を受けた


が、途中で治療を辞めてしまい


網膜症が進行しほとんど視力が無くなってしまった頃にあわてて駆け込んだとのこと


データを見せてもらったが目が飛び出た


HBS(空腹時血糖)が400over
Hba1cが12%以上

そして、クレアチニンが3以上
タンパク尿が陽性(++++)

式で計算した彼女のeGFRは

20台


放置していた間高血糖が続き


途中で発症した腎不全が進行してしまっていたのだろう


彼女は2週間の入院で
インスリンが導入されることとなった


あと1年来るのが遅かったら

透析の話が出ていたのかもしれない



いわゆる、eGFRの透析導入の基準は15以下


ただし、簡単に透析に入るわけではなく
医師によってはぎりぎりまで我慢して
10-12 くらいを割り込むまでは投薬で行く先生もいる ようだ


腎不全は大変だ


大量の薬を飲まなければいけない


合併症のケアをしなければいけない


節制を心がけないといけない


透析になったら 週に15時間ベッド上だ


これを3KB(3いけない+ベッド)と呼んでいる



そして

薬剤師はもっとも腎機能を注視しなければいけない


腎機能は禁忌・減薬の対象となる上に
半年単位で急に変化することもある


1年前Do所方で使っていたARB

気付いたら過量だった


なんてことにならないようにしなければいけない



しかし、薬局薬剤師は通院患者のeGFRをそう簡単に見ることはできない


今後病院との連携で電子カルテを用いた共有ができるようになるかもしれないが



知らないから照会もしませんでした


では済まされない



俺の祖母は透析2年目だが



通っている薬局でそんなことされてたら



ハーレーで飛び込むレベルだぜ






ハーレー持ってないけど。



ともあれ


国家試験に腎機能は頻出



今後もぼちぼち


このタイトルで書いていこうと思う