薬剤師日誌4
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/aoshima/201605/546872_2.html
やあ、元気か?
俺は元気とは言えないかもしれんが
6月は祝日無いんだよなー。
そして有休もまだ取れないし
つまり休みがないわけだ
さて、今回は糖尿病のガイドラインが変わったのでそれを絡めて考える
糖尿病、世間的にはぜいたく病やら間違った認識になっているが、
患者のそれなりの割合は非肥満型の高齢者が存在する
糖尿病は一般的に慢性治療で血糖コントロールをしていかねばならないが、
低血糖にも注意をくばらなければいけない
高齢者
あるいは既に認知症を発症
もしくはADL低下の患者では
厳格にhba1cを6.5に制限する必要はないと示された。
詳しくは割愛するが、
仮に高齢者のhba1cが7や8であっても、低血糖のリスクを増やしてまで増量する必要は必ずしもないというわけだ
むしろ、血糖に下限が設定され、より低血糖に対してケアする方向にシフトした。
それから話は変わって、ラフチジン(h2ブロッカー)の不思議な話
うちの処方にとある症例が持ち込まれた。
複数のよくある慢性疾患の薬に、プロテカジン(ラフチジン)が追加されたのだ
しかし、話を聞いても胃潰瘍や胃部不快感は無いと言う。もちろんセレコックス等も出ていない
ただ、この患者は以前より末梢神経のしびれを気にしており、メチコバールも処方されていた。
プロテカジンはそのしびれに対してのものだという。
プロテカジンはH2ブロッカー、Gsタンパクと相関するから、想像できなくもないが、しかし当然ながら適応にそんなものはない。
しかも、そのプロテカジンは最近噂になっていて処方もふえているのだとか。なにせ、他のH2アンタゴニストではダメらしい。
で、論文を漁ってみた。
すると、パクリタキセルを使用中で慢性の末梢神経障害を訴える患者にラフチジンを投与したところ軽快した、とする論文が見つかった。
で、さらに調べると、どうやらラフチジンはH2ブロッカーである以前にカプサイシン様の知覚神経麻痺作用をもっているらしく、これがしびれを一時的にごまかしている? ようだ。
いわゆる、辛いものを食べたときに舌が麻痺して他の味が感じにくくなる…ということが体の中で起こっているのだろう
末梢神経のしびれを伝える上行性痛覚の一部が、知覚神経節の麻痺によって遮断されるのかもしれない。
機序的にはトラマドールっぽいのかな
とまあ、そういうことがありましたとさ
適応外使用は面白いものがあるという話
ただし、この使い方をした場合保険的にはまずいので、実際に使われる時にはあくまでもh2としての働きとして処方されるけど