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ごちゃまぜ浮浪録

新人を脱しつつある肥満薬剤師が薬学部生向けに日頃のあれこれを偉そうに語るブログ

透析治療の哀愁

よう、夜分遅くに失礼するぜ。

 

 

 

だいぶ新天地での仕事にも慣れた手前、

 

 

医療職ってのは常に別れと隣り合わせだ。

 

 

もっとも、一番近いであろう看護師、介護士と違って

 

 

薬局薬剤師はそれを目にすることはほぼないんだけど…

 

 

透析や在宅は、少し違う。

 

 

薬局でしか会わない普通の患者と違って

 

 

透析治療と在宅患者には基本的に薬剤師が薬をもっていくことになる。

だから、相手のフィールドで面と向かって顔を合わせるわけだ

 

 

もっとも、在宅患者薬剤管理指導料の名のもと、ゆっくり話をする時間がある在宅と違って

 

透析にはその点数が無いから、一人あたりと話す時間も少ないのが現状ではあるが

 

Do処方だと渡すだけ…って感じにもなるしな

 

 

話は戻るが、透析ってのは実にシビアな世界だ。

 

日本の中で、現在の透析患者数は30万人以上といわれる

 

全人口の1/400に過ぎないが、

 

その患者のほとんどが高齢者であることを考えると、

 

高齢者の1%弱が透析治療というわけだ

 

 

これを高い低いとみるかは人それぞれだが、

 

現在、右肩上がりに患者数が増えていることを考えると

 

 

俺はかなり異様に高い数字だと思っている

 

 

ちなみに、透析とは、簡単に言うと

 

血液を機械を使って綺麗にろ過すること

 

だ。

 

本来この機能は腎臓が担っている。

 

が、腎不全や老化で腎臓の機能が落ちると

 

老廃物を自力で排泄できなくなったり、

 

不要なミネラルが過剰に蓄積したりするようになる。

 

結果、臓器不全を起こして死に至る、腎不全とはそういう病気であり、末期腎不全に対する治療のひとつが透析だ。

 

 

人の腎機能を表すクレアチニンリアランス

 

大体、正常成人ならGFRにして80~100mg/dl 程度。

 

60を切ると慢性腎不全の入口と言われる

 

30を切ると、重症。一般的に、多くの薬剤が減量になったり、禁忌になったりする。

 

薬剤師になるなら、かなり気を遣わなければいけないゾーンに突入する

 

15を切ると、末期。薬剤が代謝できないどころか、体にカリウムやリンが蓄積し、老廃物も溜まるようになる。

リンの蓄積は血管の石灰化を招き、動脈硬化を引き起こす。

カリウムの蓄積はいわずもがな、高カリウムによる心停止へ一直線だ。

国家試験目指すなら正常値くらい抑えておかないとだめだぞ。4.8mEq未満だ。

4(死に).8(やる)カリウム 

 

 

おおよそこの段階で、透析を考慮に入れ始める。

シャント(透析のための人工血管)を作り、いよいよGFRが10を切ると透析開始になることが多いようだ

 

 

透析治療は、1回およそ3~5時間。

 

ベッドに寝たまま、人工血管を通して体の中の血液を抜き取っては機械でろ過して戻していく。その間動けないし、また大量の血液を引いて戻すから、体への負担も当然ある。

 

人によっては貧血を頻繁に起こすし、かゆみ止め無効のかゆみに襲われることもある(血管を大量の血液がひっかくことに起因するといわれる透析性のかゆみ。治療薬はシナカルセト(レミッチ))

 

 

これを1週間に3回やる。

 

 

本当は、生きる上では3~5時間程度では全部の血液はろ過できないから、

 

毎日やるのがベストらしい。

 

だが、それは無理な話だ。

 

だから、QOLとの兼ね合いで、妥協したラインがここだという。

 

足りない部分は薬で補うわけだな。

 

 

で、透析のシビアさはこれだけじゃなくて、

 

予後の悪さ だ

 

 

透析治療は導入後10年生存率は50%。

 

つまり平均余命10年というわけ。

 

透析の原因はいろいろあって、糖尿病性の腎不全が最多。次に、高血圧による腎硬化症。それと、感染による腎炎。あとは加齢など。

 

 

糖尿病性の腎症では最も予後が悪く、5年生存率が50%だ。

 

 

まぁ、糖尿病末期な時点で透析しようがしまいが予後が悪いといえばそうなんだろうけど…

 

 

糖尿病が末期の中でも深刻な人は、末しょう神経障害による手足の壊疽で、足を切断する人が出てくる。

 

 

俺が透析投薬しているのは約50人弱だが、そのうち5人くらいかな。足を切断している人は。

 

 

日経メディカルの記事にもあったが、足を切断した人の透析患者の予後はすさまじく悪い。平均余命1年だ。

 

 

つい最近、その下肢切断している方が亡くなった。40代の若さだった…

 

 

若くても、こうなる現実がすぐ隣で起きてることが何より衝撃的だった…

 

 

 

俺が糖尿病をはじめとした慢性疾患と透析に興味があるのはこの辺りだ。

 

本来死ぬはずでない人がだんだんと弱っていくさまを見るのは辛いことだ

 

 

それは、多くが防げるはずだったのに病魔を進行させてしまった所にある

 

 

だったら、そこを止めてあげられる一助になればとも思うんだな

 

 

俺の祖母は透析中だし、俺の母の友達も透析になったばかり。

 

結構身近にいることを考えると、やっぱり1%って低い数字ではない。

 

 

 

しばらく、透析関連の記事を増やすかもしれない。

 

 

俺は実習で慢性腎不全に興味を持って深く調べた結果、薬剤師国家試験にもすごく役立ったし、

 

もっともこんなブログを読むヒマがあるなら青本を開けとでも言いたいが、

 

 

開いてる間にも勉強ができるのならと思うから、

 

 

次から少し薬学生向けのCKD(慢性腎不全)・透析関連の薬剤について書こう

 

 

なぜか、この辺重要なのにコアカリが手薄なせいで

 

 

全然学校でもやってくんなかったんだよね

 

 

リン吸着薬とか模試でバンバン出てたけど

 

 

特殊な薬が多いし、あれ知らないと現場に出たら滅茶苦茶苦労するぞ。

 

 

現に今も四苦八苦してる。