ごちゃまぜ浮浪録

新人を脱しつつある肥満薬剤師が薬学部生向けに日頃のあれこれを偉そうに語るブログ

【薬】最近のあれこれ +【学生向け】薬剤師国家試験直前に考えた方がいいこと

よう、今年もあと残り少し……

 

忘年会シーズンに突入だ。

 

そして、インフルエンザシーズンにも突入。

 

今年は特に全国的にワクチンが品薄で、

 

12月に入ってから打てばいいや^^

 

と気楽に考えていた受験生が阿鼻叫喚

 

の絵図になっている。


さて…

 

最近のあれこれだが、

 

うちで特に話題になった、新薬が1つ。

 

・スインプロイク(ナルデメジン)
オピオイド拮抗型便秘治療薬

麻薬やオピオイド性鎮痛薬を使用している患者は、それなりの高頻度で便秘を誘発する。

特に用量が多くなると必ずといっていいほど便秘を呈する。

これまでの便秘薬は塩類、刺激性、あるいはルビプロストン等の水分を腸管内に増やすような、一般的な便秘に対する物だった。


スインプロイクは全く異なる機序で、オピオイド受容体アンタゴニスト活性を示し、オピオイドによる腸管の蠕動運動抑制を解除するのが主作用。

 

でもせっかくのオピオイドを拮抗したら鎮痛薬の作用が弱まるんじゃ?

 

という心配があるが、消化管のμ受容体への結合能が高く、BBB透過性が低いために

 

鎮痛作用への懸念は少なめとされている。

 

事実、スインプロイクが発売されてから麻薬長期服用患者に対してよく汎用されるようになったが、鎮痛効果の低減を理由に離脱した患者はまだゼロだ。

 

一名、下痢が強くなって中止になった患者は居るが、オピオイドに特異的な面、比較的良好に受け入れられているよう。

 

新薬のため、まだ14日投与制限なのが難ありか。

ちなみに新薬の投与日数制限は、薬価収載の翌月の月頭から1年間。

 

 

 

【学生向け】薬剤師国家試験直前に考えた方がいいこと

 

年に数記事しか書いていないからコイツまた国試の話をしてやがる、とかそろそろ叩かれそうだ。いや、叩かれるほど見られてないと思うが

 

未だに学生気分が抜け切れてないとかそういうことではなくて、薬学部生時代にやっていた多くの勉強が今の職場に滅茶苦茶生きているから、学生時代の事を時々振り返りたくなるんだよな。

 

んで、勉強法とかこの時期何をやればいいのかとか、そういったのは前も書いたから置いておくとして。

というかそれは全員やって当たり前。やらないやつが落ちるだけだからな

 

今回は勉強の部分以外で知っておくと役立つこと、あるいは自分の受験年時代の経験則をつらつらと書いておこうと思う。

 

・国家試験数か月前

 

大体今の時期。

勉強以外にやることと言ってもほとんど無さそうな気もする。

大方就活は終わっているし、(この時期までもつれているようなら卒後に回しても損はしないと思うが)

体調を整えながら国家試験にむけて猛進する。そういう時期……

 

ちょっと待ってくれ。

本当に準備は勉強のことだけでいいのか。

 

国家試験は高校や大学の入試と違ってやや特殊な環境で一斉に行われるから、

下調べはやれる時にやっておいた方がいい。

 

 

まず、家あるいは下宿先から試験会場が近い(概ね1時間以内に着ける)場合

当日の試験会場への細かいアクセス、実際にどれくらいの時間が掛かるのか

試験が終わった後の帰りのアクセスはどうなのか

バスであれば混雑しないか

電車であれば急遽止まった時の臨時手段はあるか

 

直前になってこういうことをやる暇は余裕を無くすから、年末前にやっておいた方が吉だ。

特に数千人の受験生が一気に動く福岡・大阪・関東の受験地は

まず間違いなく混雑は予想していい。それから時期的に積雪や強風でよく交通機関は遅延するので

遅延を含めて余裕のあるスケジュールを立てておこう。家に出るのは早すぎても問題ない。

 

・家から通えない場合

今の時点でホテル等を予約していない場合は往復ビンタを飛ばすぞ。

これは来年以降の受験生にも言えることだが、夏休みの時期に試験会場近くのホテルはすぐ埋まる。

試験会場の詳細は、夏・秋の段階ではどこの大学が会場になるか分からないが、過去の会場を見てもらえば、そう大きく動かないことが分かる。

もし直前になって全く違う会場が設定されても、ホテルはキャンセルをすればいいだけなので、日程が出た段階でさっさとホテルは抑えておこう。

もしまだ抑えていない馬鹿野郎が居たらなんでも使って早く予約しておこう。

 

・国試1週間前から前日にかけて

これは経験に基づいているが、

俺は、国家試験前々日の15時にホテルにチェックインできるように予定を組んで動いた。

1週間前から3日前までは実家からホテルへ電車で移動できる距離だったから、実家で勉強していた。この時期には試験当日と起きる時間、寝る時間、メシの時間をある程度合わせておくといい。

 

チェックイン後は、前々日は実際の交通機関の時刻表を確認して(ネットとは改定でズレていることがある)、近くにコンビニなんかがあればその場所も確認しておく。

 

前日は、当日時間通りに起きてメシを食って、翌日動く通りに動いてみる。

会場に着いたら寒さなんかを確認して、Uターン。その後テストの時間通りに時間を図って過去問でテストする。昼食、休憩時間なんかも当日と同じにする。

 

勉強道具は人それぞれだが、俺は青本を持ち込みすぎるのはやめた方がいいと感じた。

クソ重いし、あれが並んでいるだけで萎える。1週間前から3日前までの間で、ホテルに持ち込む勉強用具は厳選しておこう。

青本10冊全部持って行ったのが本当にバカだったと思う。

 

それから、当日の動きだがまず行ってすることはトイレの場所と、大きさチェック!

特に女子は絶対だ。野郎はそうでもないが、福岡会場は例年女子トイレが初売り福袋のバーゲンセール顔負けに渋滞する。

自分の試験教室から最も行きやすい、あるいはそこが混んでいた場合に行きやすい穴場を見つけておこう。

試験前と試験中の一定の時間は退出が許されない時間もある。

それに休憩時間もさほど長くはないから、心にムダな影響を及ぼさないためにもやっておくことをオススメする。

 

休憩時間に一切トイレに行けなくて涙目だった受験生を実際に目の当たりにしたからな……

 

 

トイレの次は食事だな。

模試で経験している分楽だとは思うが、割と本気で食が通らない時があるから、

普通のメシに加えてウイダーなんかのゼリ―系飲料があると良い。

カロリーメイトソイジョイは口がパサつくのでお茶の量が増えて尿意が増す。ごはんorパンのメシ+ゼリー系+α が王道だと思う。

 

俺が受験した時はコンビニのめっちゃ匂う担々麵を持ち込んだ奴が居たな…

 

午後のためにエナジードリンクがあってもいいが、普段飲まない人が飲むと胃に来るからそこは自己責任で。

とにかくこまめに栄養補給ができるように備えた方が吉、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―蛇足な話―

(仕事をしていて、私的な愚痴に近い内容なので鬱陶しい内容なので暇人以外は見なくていい)

 

 

「他の医療者から見た医師」って一体どんな存在に値するべき、なのだろうかと。

 

 

患者にとっての医師は、疾病・疾患を鑑別し適した治療法や処方を行う、

所謂「先生」なのだろう。

 

だが医療人にとっての医師は例えば、薬剤師だったら、医師からの処方が仕事の大元である。(無論、ここ最近の流れでいえば病棟管理指導だったり、在宅訪問で必ずしも処方だけに依存しているわけではないが)

 

医師が居なければ薬剤師は仕事がないわけだし、言い方は乱暴だが神、あるいは親会社、あるいは上司にも似ている。

 

立場上、向こうから仕事を振られている観念が強いわけだから、いくらチーム医療と言えど医師の方が強いのは当たり前なのだ。

 

だからといって薬剤師が要らないとか、医師の下位組織だとか言うつもりはないが、少なくとも日本の医療社会ではそういった暗黙を了解した上で行動するのが賢い。

 

と、ぺーぺーの新人は最近思い知らされた。

特に、医師歴が40年50年といったベテランの医師ほど、

俺が思っている以上に、医師以外の職は手足どころか道具としか思ってない……人が少数だが居る。

 

エビデンス的にいくら向こうが間違っていても、

 

99.9%おかしいことでも、

 

最終的に向こうがイエスと言えばイエス

何故ならば医師の経験こそがエビデンスだから。

あるいは、医師の考え、方針が沿っているからこれでいいのだとか。

 

こちらとしては職務上、「尋ねて、それで医師がGO出していれば」仮に患者がそれで悪化したり急変しても、職務は満たされている。

 

もっとも、道義的にそれでは通らないのだろうけど、一般的にはそれがまかり通っているのが現実だ。

 

 

例を挙げれば、

感冒症状、緊急を要さず現在抗菌剤を投与もされていない一次状態の患者に、いきなり長期でST合剤をどかんと出す。

 

 

アルギン酸を添加剤に含み粘り気があるために他点眼薬とは時間を置いた上で最後に点眼する必要のある点眼剤を「適当に差していい」と患者に言っている。

そして疑義照会した薬剤師に俺の処方に口出しをするなと恫喝を始める。

 

低血糖で眼底出血を起こしている患者(インスリン治療中)のインスリン単位を放置したまま継続指示を出している。たまらず他院受診した患者が、他院の医師の紹介状を持ってきて渋々処方を修正する。もちろんインシデントは素知らぬ顔。

 

 

上記は残念ながらリアルな話で、それも毎週のようにこういった電話は繰り返している。

俺が就職する前に医師に抱いていた尊大なイメージは割と脆くも数年で崩れかかりそうになっていた。

尤も、完璧な人間など居ないのだから、そこはそれ、職務としてバックアップできるのならそれは大義なことだが、話を聞いてもらえないとどうしようもないのだ。

 

逆に言えば、こういった医師に正論かますのではなく、裏道抜け道耳打ちを使ってなんとか患者のためにフォローアップするコミュ力もまた、薬剤師にとって必要な技術なのかもしれない。

 

あるいは将来、薬剤師がもっと役に立つモノだと

認識してもらえたのなら、話も変わってくるのだろうか?

 

薬剤師にとっての医師とは何ぞや、医師にとっての薬剤師とは何ぞやとは、ちょっとやそっとじゃ答えの見つからないゆゆ式問題らしい。

 

捕捉しておくと、こういう話を細かくかいつまんで積極的にフォローしてくれる医師もたくさん居る。

場に応じてこちらの職能をしっかり依頼してくれる医師も居るし、

むしろスゴすぎてこっちの立場が無いくらいの医師も居る。

 

ただどんな医師に当たろうと、患者にとっては医師であり薬剤師である事実は互いに変わらないのだから、

そこに向かって努力することはきっと無駄じゃないと思うしかない。

 

 

(本音:楽して働きたい)